全国で発生している産廃問題
~3月の産廃問題ニュース~
中津川の産廃施設建設:市が地元に誤報告謝罪 住民「県は認可取り下げを」
(毎日新聞 岐阜 3月10日)
中津川市福岡の柏原地区の産業廃棄物の中間処理場建設計画に関して、県東濃振興局恵那事務所から計画地周辺の状況の照会を受けた同市が、実際には地下水を水田や飲料水として利用しているにもかかわらず「地下水利用なし」と回答した問題で、同市幹部らが9日、福岡公民館で住民代表らから意見を聞き、誤った報告があったことを認めて謝罪した。
訪れたのは同市の小縣正幸生活環境部長や志津弘美生活局長ら幹部7人。
住民からは「県への回答書に誤りがあったのだから、県に対して認可を取り下げるよう申し入れてほしい」「住民は業者からなにも説明を受けていない」などと、意見が相次いだ。小縣部長は「意見書の誤りや、地元に説明がなかったのは事実。不備も含めて県にしっかり伝え、しかるべき対応をお願いする。しかし、認可は県の問題で、踏み込んで言うのは難しい」と述べた。住民らは「説明もなく報告にも不備があったのだから認可取り下げは当然。もっと住民の立場に立って対応を」と迫った。
一方、同市福岡区民会館で8日夜、福岡区の住民らを対象にした緊急集会が開かれ、約300人が詰め掛けた。建設計画地の柏原地区の代表らの経過報告の後、県立中津商業高校講師、吉田豊美さんが産廃中間処理施設の問題点や、排出される有害物質について講演。質疑応答が行われた。計画を知らなかった人も多く「知らない間に計画が進むのは許せない」「県はなぜ簡単に認可したのか」など、憤りの声が相次いでいた。
由布の産廃処分場計画:現計画不適当 県勧告で縮小へ
(毎日新聞 大分 3月10日)
由布市挾間町谷地区の国内最大級の産廃処分場(591万立方メートル)計画で、県が1月、「市も反対しているうえ、予定地は保安林や農業振興地域にもかかっている。大きさも不適切」などとして、計画主体の「西部開発」(大分市)に事前協議書取り下げを勧告していたことが分かった。同社は計画を練り直し、近く県に再打診する方針。
9日の県議会で城井秀郎・生活環境部長が説明した。
計画は敷地面積約50ヘクタールで、汚泥なども持ち込むため、排水対策が必要な管理型処分場。同社が昨年9月に協議書を提出していた。
予定地は大分川に注ぐ山王川沿いで、合流地点直近に上水道取水口があり、農村地帯の水源部でもあることから、反対運動が始まった。市議会は全会一致で反対決議。昨年末には首藤奉文市長らが住民9000人分の反対署名を知事に提出していた。
西部開発は「指摘に沿った改善策を検討中。1基で591万立方メートルを想定していたが、30万立方メートル規模を複数組み合わせる形に縮小し、保安林などの問題もクリアしたい」としている。
大村の廃棄物処理法違反:容疑で前大村市議ら2人逮捕
(毎日新聞 長崎 3月9日)
県の許可を受けていない場所に産業廃棄物を不法投棄したとして、大村署などは8日、大村市松並、前大村市議で「ウイック」社長の和崎正衛(70)▽福岡市南区、元同社総務部長、池俊一(62)の2容疑者を廃棄物処理法違反容疑で逮捕した。和崎容疑者は「投棄場所は会社の土地であり、不法投棄とされることには納得できない」と容疑を否認。池容疑者は認めているという。
同社は、県から許可を受けた産業廃棄物の最終処分業者。
逮捕容疑は、2容疑者らは05年12月~06年4月ごろの間、最終処分場の埋め立て許可区域外に廃プラスチックなどの産業廃棄物約1万5800立方メートルを埋め立て、不法投棄したとしている。
同署は1月26日に県から同容疑で告発を受け、同27日~2月10日まで処分場やその周辺地域の検証を行っていた。
長崎地裁は2月5日に、売り上げの一部を除外するなどして所得を隠す法人税法違反の罪で、同社に罰金1500万円、和崎容疑者に懲役1年、執行猶予3年の有罪判決を出している。
来月試運転、7月に稼働 苫東のリサイクルセンター
(北海道新聞 3月10日)
4月に試運転を始める苫東リサイクルセンター
廃棄物処理業の空知興産(滝川)が苫小牧市弁天に建設中の産業廃棄物処理施設「苫東リサイクルセンター」が4月上旬に試運転を始める。汚泥や廃油などの産廃の焼却処理に加え、道内で初めて、使用済みの注射器や点滴袋を入れるプラスチック製の医療廃棄物容器のリサイクル処理も行う。
同社は2007年に約2ヘクタールの用地を取得し、昨年7月に着工した。施設は約2600平方メートルで、産廃の焼却施設と、廃プラスチック類や医療廃棄物容器のリサイクル処理施設を併設する。
廃棄物は苫小牧、札幌など道央圏を中心に、工場や医療機関から受け入れる。1日当たりの処理能力は焼却施設が30トン、リサイクル施設は廃プラスチック類で8・9トン、医療廃棄物容器で4・8トン。
医療廃棄物容器は20リットルと50リットルサイズのプラスチック製で、これまでは容器ごと焼却処理されていた。同センターでは中身だけ焼却処理し、容器は破砕、滅菌、洗浄してプラスチックの破片の形でとりあえず保管。年内にも新たな設備を導入し、リサイクル可能な粒状のペレットに加工する。
本格稼働は7月の予定。総投資額は約16億円。年間売上高は6億円を見込む。従業員は15人前後で、半数は地元で採用する。
同センターは「将来は処理したプラスチックを医療廃棄物容器に再生できるようになれば」としている。
産廃・残土不法たい積坂戸「鹿川県議が許可」県・市が是正勧告 「仮置き頼まれた」鹿川氏
(読売新聞 埼玉 3月5日)
自民党の鹿川文夫県議(67)(西11区)が以前役員を務めていた養鶏業者の土地に、産業廃棄物や残土が不法に積まれていることが、県と坂戸市の調べで分かった。鹿川県議は「2~3か月だけ仮置きしたいと頼まれた」としているが、県と坂戸市は、条例や道路法に違反するとして撤去を勧告。養鶏業者も鹿川県議らに撤去を求める訴訟を起こしている。鹿川県議は先月上旬、県に撤去する意向を伝えたものの、いまだに作業は始まっていない。
県や市によると、現場は、同市森戸の養鶏業者の所有地約1万6000平方メートル。2008年6~9月、坂戸市内の住宅開発地から掘り出されるなどした産廃や残土計約3万立方メートルを、工事施行業者が無断で搬入したという。
県土砂規制条例では、3000平方メートル以上の土地に土砂を積むには県の許可が必要。県は同年9月に業者に搬入中止を指導したが、業者が指導を無視したため、県はバリケードを作って搬入を阻止した。養鶏業者が搬入した業者を問いただしたところ、「鹿川県議から仮置きの許可を得た」と話したという。鹿川県議は05年まで同社役員を務めていた。
鹿川県議は09年7月、養鶏業者に対し、「自分の責任で撤去する」と回答したが、撤去の動きがないため、業者は10月、鹿川県議らを相手取り、残土撤去を求めて東京地裁に提訴した。
土砂が市道にもはみ出しているため、坂戸市も同年5月、道路法に基づき、鹿川県議らに残土撤去を求める改善を勧告。隣接する所有農地にも残土を搬入させているとして、市農業委員会から農地法違反で是正勧告も受けている。
県の調査でも、県土砂規制条例と道路法に違反する事実が確認されたほか、廃棄物処理法違反に該当する可能性もあるという。鹿川県議は今年2月上旬、県に対して「撤去を行う」と申し出たが、今月3日までに撤去作業は始まっていない。
取材に対し、鹿川県議は「仲介者を経由して開発業者から『2~3か月だけ貸してほしい』と言われ、協力した。お金は一銭ももらっていない。自分の土地だけのつもりだった。私は被害者だ」と説明。産廃や残土については「業者と協議し、近く撤去する」と話している。
鹿川県議は1996年に初当選。当選4回で、総合政策委員長などを歴任し、次期県議会議長に推す声もある。
松原市:家庭ごみを産廃で処理
(毎日新聞 大阪 3月4日)
松原市が市内の家庭・事業所から回収した一般廃棄物の不燃物・粗大ごみを産業廃棄物と偽り、少なくとも98年度以降、市内外の産廃業者4社に中間処理を委託していたことが3日、分かった。市は廃棄物処理法に反する状態と認識しながら放置。音野清継・市民生活部長は「自前の公営処理施設が市内になく、苦肉の策だった。思えばおかしな処理方法だった」と釈明した。
説明によると、不燃物・粗大ごみは、市内の分別施設にいったん集め、リサイクルできる木材・鉄を取り除いた後、産廃として業者に引き渡していた。1トンあたりの処理委託費は1万2000~3万7000円で、年間処理量は7000トン前後だった。
1月末に市内での一般廃棄物の収集・運搬を許可していない2業者に「ヤミ収集」などの便宜を図ったとされる問題が分かり、事業を精査する中で発覚した。
環境相に平地林保全を要望 産廃処理施設集中で栃木・那須塩原市長
(MSN産経 3月4日)
栃木県那須塩原市の栗川仁市長は4日、小沢鋭仁環境相に対し、産業廃棄物処理施設が集中して自然が脅かされている同市の平地林(平地部の森林)を保全する対策を国、県、市が連携して進めるよう求める要望書を提出した。
酪農地帯の同市には関東でも有数の平地林(約120平方キロ)があり多様な生物が生息、「里地里山」として住民も利用している。しかし産廃施設が百数十カ所つくられるなどして自然が減少しているという。
要望後、栗川市長は「国は産廃施設に法規制をかけるよう検討してほしい」と話した。
ひとinぐんま:わ鉄立て直しにまい進する社長・樺沢豊さん
(毎日新聞 群馬 3月10日)
◇地元と「共に勝つ」経営を--樺沢豊(かばさわ・ゆたか)さん(61)
昨年6月、第三セクターのわたらせ渓谷鉄道社長に就任、20年間赤字続きの経営再建に挑む。県庁で観光局長まで勤め上げた経験と人脈を武器に取引先を回り、職員らの意識改革にも取り組む。
今年1月、東京・新宿の百貨店で駅弁大会に参加した。7日間とも終日、自ら陣頭に立って指揮。「期間中6000食売った。お客さんに励まされ、喜ばれ、職員のかけ声が日増しに大きくなり、目の色が変わったのがなによりうれしかった。何かが変わり始めた」
県庁では建築畑が長かった。学校や県立病院など100カ所以上の現場を自分の目で確認し、維持費や工事で出る産廃物を減らすことに腐心した。住宅課時代は、県営住宅の家賃滞納者を、全国でもいち早く訴えた。自ら訴状を作り法廷にも立ち、約60件で勝訴した。前例主義にとらわれない、実績重視の精神が持ち味だ。
わ鉄名物のトロッコ列車が、4月から予約制になる。発車直前まで行列しなくてすむため、乗客はゆっくりと街を散策できる。昔からメリットは分かっていたが、社内の縦割りを打破できず、先送りが続いていた。
「沿線の街も高齢化などで人が減っている。駅を出た乗客が商店で買い物を楽しめば街の活気もでてくる」と、地元商工会やボランティアと知恵を絞る。目指すのは「ウイン、ウイン(ともに勝つ)」の経営だ。わ鉄の再建と同時に、地元経済の活性化にも寄与できればと願う。
茨城空港の開業や北関東自動車道の開通など、わ鉄を取り巻く環境も変化していく。「いかに誘客するか、打つべき策は限りなく多い」